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登録/更新年月日:2026年1月15日
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| 1.犯罪のない地域を創るために(2024年)1 (1)はじめに 村上岩船地区保護司会山北分区は、新潟県の最北端、山形県と境を接する村上市山北地区で活動しているが、穏やかな地域性のためか対象者を受け持つことはほとんどない。そんな中、地域住民には立ち直りについての理解と協力を求め、そして安心と安全な地域づくりを進める活動を中心に行っている。 (2)各種団体と連携した活動を目指して 7月は「社会を明るくする運動」の強調月間で、全国的に街頭活動が行われるが、分区でも毎年7月1、2日の両日に4箇所で街頭に立っている。これに先立って、更生保護女性会・市役所山北支所・民生児童委員協議会・人権擁護委員・まちづくり協議会・区長会・小、中学校長・社会福祉協議会山北支所などに声がけをして、「社会を明るくする運動地区推進の会」を立ち上げて、運動の趣旨と目的を確認してから街頭活動への協力をお願いしている。 8年ほど前からは、中学校の協力を得て一部の生徒が街頭活動に参加していたが、昨年からは全生徒となった。今年も2日間、生徒は更生保護専用Tシャツを着用して街頭に立った。 6月末に保護司2人が学校に出向き、全生徒を前に「社会を明るくする運動」の意味を説明し、「犯罪に手を染めないように」と訴えた。 街頭活動では生徒が中心となるように配慮し、大人からは声がけの仕方やテッシュペーパー、チラシの配り方についてアドバイスが向けられる。そして街頭活動終了後には一堂に会しての反省会も行われ、この場では生徒一人一人の率直な感想や意見に耳を傾け、大人からは大きな拍手が贈られた。この中から生徒と大人との信頼関係が生まれ、生徒には「見守られている」という安心感が醸成されていくのではないかと思っている。今では協力する団体の人たちも、生徒と一緒に活動することを楽しみにするようにもなっている。このような活動が認められて、今年中学校は法務大臣感謝状をいただき大きな励みになった。 |
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| 2.犯罪のない地域を創るために(2024年)2 (3)「2024愛のサツマイモ収穫プロジェクト」への挑戦 分区と更生保護女性会では、毎年テーマを決めて合同研修会を行っているが、話し合いだけでは目的が見えてはこないのではないか、との反省から、中学校も加えた3者でサツ マイモを栽培し、収穫したサツマイモを給食に使って小学校児童にも食べてもらおうと、今年初めて挑戦した。 事業主体は2年生13人で、長年使われずに荒れていた旧小学校の畑を利用するため、2回の除草作業と耕起作業、畝づくり作業を大人が行って、5月30日には3者でマルチシートがけと苗の植栽作業を行った。作業前には保護司2人が学校に出向き、「なぜサツマイモを選んだのか」、また「苗の植栽方法」を2年生に話す機会もいただいた。サツマイモの芽は光に向かってまっすぐに伸び、荒れ地でもしっかりと根ざして実を付けるという特性があるが、これを生徒の成長に置き換えて話をした。また植栽当日も、大人から生徒にたくさんのアドバイスがあり、4畝に200本の苗を無事に植栽することができた。そして畝の脇には思い思いに書かれた生徒作の小さな看板も立てられた。 また、サツマイモを狙う天敵、猿に苗を抜き取られないように、8月27日には全員で網かけ作業も行い、10月10日に無事収穫することができた。そして11月22日には待望の給食日、これまで関わった大人も中学校に出かけて生徒と一緒に味わった。 (4)更生保護研修会の開催 「社会を明るくする運動」の街頭活動に参加していただいている団体に呼び掛けて、1月下旬には毎年研修会を行っている。この会の目的は二つあり、一つには犯罪のない地域社会を創ること、二つには対象者が地域に戻ってきたとき、みんなで協力して再犯の道に進ませないようにするためである。「自分は絶対に犯罪には手を染めない」とは思っていても、環境が大きく変わったとき、また生きづらくなったときには手を染める可能性が0ではないことを知ってもらう中から、改めて自分の行動を振り返り、手を染めた人たちの気持ちに少しでも近づくためのトレーニングと位置付けている。 令和5年度のテーマは「罪」で、山形県鶴岡市の羽黒修験道の先達から「羽黒修験における滅罪生善」と題した話をしていただいた。この研修会も始めてから10年くらいになるが、その都度テーマを決めて講師を依頼している。「犯罪者の面倒と更生保護は保護司がやるもの」との認識が強い中で、地域全体の取り組みとして理解してもらい、一人一人が関わることの大切さを学ぶ機会としている。 |
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| 3.犯罪のない地域を創るために(2024年)3 (5)更生保護活動の目的は地域づくりにあり 「更生保護は保護司がやるべき」、「犯罪者と関わることは怖い」という気持ちは、正直誰もが持っているが、これは当然のことだと思う。しかし、更生保護の活動を進めていくには保護司の力だけでは限界がある。あえてまちづくり協議会や区長会にも声がけしている理由は、地域全体で犯罪防止策を考え、対象者の手助けをみんなでできないかとの考えからである。「地域の中から犯罪者を出さないこと」、「再犯させないこと」、これを住民が理解して協力することで、住みよい町づくりにつながっていくのだと考えている。 (6)社会教育の中で育てられたノウハウを活かして 分区の活動には、社会教育や生涯学習を担当した時に培ったノウハウを多く活用しているが、キーワードとしては三つある。一つは「話し合うこと」、二つには「汗を流すこと(動くこと)」、そして三つには最も大切な「楽しむこと」である。やることの目的は、各自不透明なところがあったとしても、みんなで話し合い、そして実践していくことで自ずと目標が見えてくる。と同時に、一人一人が「お客様」から「実践者」に変わっていくために自ずと主体性が生まれ、そしてチームワークも徐々に形成されていく。 このような質的変化こそが、社会教育が目指す究極的目標であると考えている。 |
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